おおらかで自由なアメリカンスタイルの家

アンリーワンの暮らしを訪ねて
アンリーワンの暮らしを訪ねて
DIYの楽しみが満ちるおおらかで自由なアメリカンスタイルの家


伊藤さんご一家の住まいが建つのは、海の見える高台。

ガレージまでかかる大きな屋根が印象的な、どこかアメリカ西海岸の風を感じる2階建てです。

DIYを愛するご家族の暮らしも、まさに爽やかなアメリカンスタイル!


靴のままのびのび過ごせる土間の暮らし

大きな屋根が特徴の伊藤さん宅。右側がガレージ兼玄関
大きな屋根が特徴の伊藤さん宅。右側がガレージ兼玄関


青空の下、モスグリーンのガルバリウム張り外壁に白い窓枠が映える伊藤さん宅。
ガレージに並ぶ色鮮やかな工具やインダストリアルな雰囲気いっぱいのプレート類、たっぷり積まれた薪の山からは、ここでの生活をとことん楽しんでいる様子が伝わってきます。
天井から吊るしたハンモックや縄バシゴも楽しそう
天井から吊るしたハンモックや縄バシゴも楽しそう
そして玄関を入ると……、なんと1階屋内はすべて土足でOK。
リビング、ダイニング、キッチンなどが配置されたワンフロアの床面は、墨を混ぜてあるという黒いコンクリート土間です。
「愛犬が自由に走り回れて、シンプルで使いやすい家がよかったんです。
靴のままならガレージとの行き来もらく」とご主人の公一さん。
カナダに3年間の留学経験 を持つ奥さまの智子さんも「床座の生活だと、一度座ると動くのがイヤになっちゃいそう。それで、靴で過ごせる洋風の暮らしにしました」と言います。
室内の一角を見ると、ここにも工具類がずらりと並ぶ公一さんのアトリエコーナーが。

「できることはなんでも自分でやりたいタイプなんです。この家も、そういう楽しみとコストを抑えるための両方の意味もあって、自分たちでいろいろ手を加えながら遊べる余地を残してもらいました」

ガレージ部分は公一さんの遊び場。薪割り機やDIY用具が並ぶ
ガレージ部分は公一さんの遊び場。薪割り機やDIY用具が並ぶ
木のぬくもりを生かしつつ自由度の高い住まいに

大きな梁が横切る吹き抜け。薪ストーブの暖気も家じゅうにまわる
大きな梁が横切る吹き抜け。薪ストーブの暖気も家じゅうにまわる
ロフトは板張り。窓の景色を楽しめるパソコンコーナーもある
ロフトは板張り。窓の景色を楽しめるパソコンコーナーもある


住まいはどこを見ても開放的で居心地のいい空間です。ガレージ風のハードさと、木の持つやさしくあたたかな雰囲気とがしっくりなじみ、伊藤さん一家ののびやかな暮らしぶりをそのまま体現しているかのよう。
屋内には地元糸魚川産のスギをふんだんに使い、幅50㎝あまりもある梁が印象的です。薪ストーブを据えたリビングの吹き抜けを見上げれば、屋根裏の美しい木組みもいつも目に入ります。
一方、壁は、木材チップを固めたOSB合板で軽快に。普通は下地材として使うものですが、これなら後から板を打ち付けてクロスを貼ったり塗り壁にもできる、という考えからです。
コンクリート床の下には蓄熱式スラブヒーターを入れてあるので、冬は薪ストーブを焚けば家じゅう半袖で過ごせるほど。
間仕切りのない大空間は、窓を開ければ夏もエアコン要らずです。
2階に設けたロフトも、使い方にこだわらないフリースペース。今は3歳の長男と1歳の次男の絵本コーナーであり、智子さんが洗濯物を干す場所であり、窓辺のカウンターデスクは公一さんのパソコンコーナーです。

厚さ35mmある無垢材の床は、肌ざわりがやわらかく、1階のコンクリートとはまた違った気持ちよさ。
ここには、この家で2室だけ設けた個室があります。ひとつは寝室。クロゼット代わりにしているもう1室は、やがては子ども部屋に改造する計画です。
「ロフトの床は、そのまま1階の天井になっているんですよ。おかげで1階にいても、子どもたちの過ごす様子が、歩く音を通じてわかるんです」
 ロフト部分の床や柱は自分たちでミツロウを塗って仕上げたもの。公一さんのお母様も手伝って、皆で夜中まで作業したのも楽しい思い出です。
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ロフトに続く屋根裏は、壁に出入り口をつけて収納室に
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下から見上げればロフトにいる家族とも気軽に声を掛けあえるつくり
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OSB合板のハードな雰囲気に、取り付けたCDラックやアメリカンな雑貨が似合う

手を入れることで育っていく唯一無比のわが家

公一さんと智子さんが家づくりに参加した部分はほかにもさまざまあります。
玄関ドアはインターネットで見つけ、神奈川まで軽トラックで引き取りに行ったもの。薪ストーブの炉台は、アンティークの耐火レンガを積んで手作りしました。照明器具やスイッチプレート、コンセントカバーなどはアメリカのウェブサイトから輸入。さらに、キッチンの収納棚は、カネタ建設の設計士に相談して自分で製作しました。ダイニングに据えた大テーブルも、カネタ建設が改装を手掛けた居酒屋から天板をもらい受け、切って丸太と組み合わせたのだそうです。

「作ることが好き。以前、東京に住んでいた時は、イベントやテレビ番組のセット製作をしていました」と公一さん。「でも東京にいたら、これほど自分でものを作る暮らしは考えなかったはず。この土地で、この家を建てたからこそできたことです」

住みはじめてからも、わが家を舞台にしたDIYは、なによりの休日の楽しみ。ガレージの外側は、野ざらしでいい風合いになった板を見つけて、山小屋を思わせるウッドシングル張り(うろこ状の下見板張り)に。また、ガレージ上の屋根裏は、板壁に出入り口を開けて収納室にしようと作業を進めているそうです。

キッチンの収納上部は公一さんの手作り。使い勝手を考えて製作
キッチンの収納上部は公一さんの手作り。使い勝手を考えて製作
このツール掛けも、金属を加工して作ったというすぐれもの
このツール掛けも、金属を加工して作ったというすぐれもの
屋根の上にまわる風見は、よく見ると鳥ではなく犬のシルエット
屋根の上にまわる風見は、よく見ると鳥ではなく犬のシルエット
建ててからもうすぐ10年。コンクリートの床はだんだんと黒さを増し、いつも歩く場所には動線に沿った跡もできてきました。
屋内を存分に駈けまわった 愛犬が亡くなったのは悲しい出来事でしたが、ここで生まれ育った子どもたちにとっても、この家全部が遊び場。外から土足で駈けこみ、床にごろんと寝転がっ たりもします。

「せっかく自然いっぱいの土地に住んでいるんだから、それでいいなと思っています。ジュースやお菓子をこぼしても掃除は簡 単だし、合板の壁に落書きしたって平気。息子たちも本当にのびのび過ごしています」と笑う智子さん。いつかは英語教室を開く夢も、この家ならきっと実現できそうです。

壁につけた赤い工具入れもアメリカから個人輸入したもの
ガレージ脇にファサードにはウッドシングルを貼って山小屋風に
「住みながら自分たちで手をかけていくことで、いっそう、オンリーワンの家に育っていくんですね。これからどう変化していくか、自分たちでもワクワクしています」
笑顔で見送ってくれた家族のうしろで、愛犬の姿と同じ形の風見が、屋根の上で楽しそうに揺れていました。
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