Liie「峰を仰ぐ家」 杉板外壁の理由

皆さんこんにちは、上越店髙橋です!
糸魚川で建設中のLiie「峰を仰ぐ家」。
自然な風合いの美しい杉板外壁が張られました。

N様とお会いして間もない頃、「長く、大切に住み続けられる家づくりをしたい」
とお話を伺っておりました。
敷地を拝見すると、海から近く、尚且つ風がよく通る場所でしたので
潮風による塩害や、冷たい風による凍害などの可能性が考えられると想定し、
この敷地に合う最適な外壁材を選定することとしました。

新潟県糸魚川市 筒石の漁村集落

この上越地方では、海沿いの道を走るとシルバーグレイの杉板外壁の家が立ち並びます。
神社や寺院などの歴史的建造物もそうですが、
ほぼノーメンテナンスで何十年も長持ちしている様子が伺えます。
こうした古くから残る建物に学び、杉板外壁をご提案させていただきました。


糸魚川杉の丸太(内側の色が濃い部分が赤身です)

そして峰を仰ぐ家では、厳選された糸魚川杉の赤身(芯に近い部分)を使用しました。
赤身は既に成長を終えた部位の為、水の通り道が封鎖されておりますので、
一旦乾燥させると水分を吸収しにくくなり、水に強くなります。
また、白身から成長して赤身に変わる時にフィトンチッドという成分が蓄えられ、
虫やカビに強い特徴もあるので、室内に限らず外壁材としても好まれています。
糸魚川杉は、深みのある落ち着いた色合いと、力強い木目が特徴的。
雪国で生まれ育った杉ですので、湿気や雪にも強く、輸入材に比べ気候風土に馴染みます。
同じ杉材でも、使用する部位や産地によって特性が異なるので、
外壁に杉を使う際は、素材を吟味することが大切。


糸魚川杉伐採の様子

地元の木を活用することで、配送コストの削減や地域の活性化にも繋がります。
私たちは、豊富な糸魚川の森林資源を生かした、
地材地建の長く暮らせる家づくり「ISSH(イッシュ)」の考えに賛同し、
・地元材と作り手の顔が見える安心できる家
・本物の自然素材を使うことで、長く愛着を持って暮らせる家
・性能面を担保することで、暖かく健康で安全な家
を皆様にご提供しております。
↓詳細はこちらをご覧ください↓
糸魚川住宅認定基準ISSH(イッシュ)
緑でつなぐ未来創造会議/3M 3M(さんえむ)とは


峰を仰ぐ家 外壁施工前の杉板

杉板外壁をより長持ちさせるには、
予め保護塗料を塗布し、腐食菌を入りにくくすることをお勧めします。
今回、「ウッドロングエコ」という木材防護保持剤を使用しました。
文化財修復の専門家たちより賞賛され、個人住宅をはじめ様々な施設で使用されている、天然素材の保護剤です。
木の表面だけでなく内側に染み込みながら杉を長持ちさせることが出来ます。

木材や産地によっても色合いが異なりますが、
着色するとシルバーグレイの自然な風合いが、杉の美しさを引き出します。


峰を仰ぐ家 外壁施工後の杉板

日本では馴染み深い杉。
実は選び方や加工次第で見た目や耐久性にも違いが出る、奥が深い木材です。
地元に根付き、地元の木を使うカネタ建設だからこそ、
自信を持って杉板外壁をご提案しております。

峰を仰ぐ家、完成に向け着々と工事が進んでおります。
杉板外壁が、地域の景観に自然に馴染む外観となりました。
4月には完成見学会も予定しております。皆様お楽しみに。

髙橋